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学力研がめざすもの

 私たちは、すべての子どもが、日本国憲法と教育基本法(※1947年のもの)、子どもの権利条約の精神に基づき、確かな学力の形成を通じて豊かな人格の発達が保障され、民主的で、平和な日本の主権者として成長することを願っています。  教育は人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を貴び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行なわれなければならないものです。  私たちは民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようと決意するもので、この理想の実現は根本において教育の力にまつぺきものと確信するものです。
 すべての子どもは等しく教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、教育上差別されてはならないものと私たちは考えます。
 しかし、現実には社会の階層化や不平等の進行、福祉や教育の後退、退廃文化、家庭の教育力の低下など子どもの責任とは言いがたい多様な困難や教育上の不十分さによって、成長と発達の基盤というべき学力の基礎がきたえられないまま放置され、やる気をなくし自暴自棄になっている子どもが顕在化しているのも事実です。
 私たちは「学力の基礎をきたえ落ちこぼれをなくす研究会」以来、「見える学力、見えない学力」をともに育てること、学力の基礎である「読み書き計算」の力をうんとつけることによって子どもたちに自信と誇りとやる気を取り戻させる実践を普及し、研究を積んできました。
 この間脳科学の研究が進歩し「読み書き計算」が人間の前頭前野を豊かに刺激し、成長させることが示され私たちの実践方向の正しさが脳科学の分野からも証明されつつあります。
 私たちはこれまでの民主的、民衆的な教育運動の成果と教訓に学び、科学的発達観にのっとって研究を深めます。
 子どもたちは学校で、仲間とともに、快的な情動(ここちよさ)のもとにうんと鍛えられることを待ち望んでいます。
 私たちは「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会」の名称がしめすように、目の前の子どもたちを限りなく伸ばすために実践的研究を深め、自らの教育的力量を高めるとともに、日本中の、いや世界中の子どもたちが平和で豊かな教育環境のもとに優れた教育の成果を享受できるように活動します。
 そのために、つぎのような研究と活動を進めます。
  1. 「読み書き計算」など学力の基礎をきたえどの子も伸ばす実践の創造と普及
  2. 「授業づくり」「学校づくり」など教師の教育的力量を高めめるための実践的研究とその普及
  3. 豊かで確かな学力づくりと子どもを励ます指導と評価の探求
  4. 科学的な発達論の学習を深め、学力研の実践の理論化をはかる
  5. 特別な力量や経験がなくても、その気になれば「いつでも・どこでも、だれでも」ができる実践の創造と普及
  6. 子どもの発達を軸に父母・国民との協力、共同をすすめ、どの子も伸ばす運動を発展させる活動
  7. 他の民間教育団体の成果に学び、交流を深める活動
私たちの実践が、大多数の教職員や父母、国民に支持され大きな教育運動になるよう地道な努力を継続していきます。

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