HOME


 

2021年7月号

 ICT教育が学力を向上させない理由は何でしょうか。これは情報量と教育効果の関係に起因するものと思います。簡単に言えば、ICT教育は視覚情報量が大き過ぎて、情報量が少ない紙を読む場合に比べて、深く考えることが難しいと考えられます。
 人間の思考は、与えられた情報を頭の中で短期記憶として並べ、それを処理することで成り立っています。この短期記憶をワーキングメモリーと言います。ワーキングメモリーには限界があり、それを拡張する方法は知られていません。
 そのため、思考を効率的に行うには、情報をコンパクトにしてワーキングメモリーをあまり消費しないようにすることが重要です。こういった情報のコンパクト化は、必要事項を箇条書きにしたり、文書を要約したり、ダイアグラムやグラフとして視覚化したりといった形で日常的に行われていることです。
 私たちは、情報を整理して極小化した形にしておくことで、思考のフリーハンドを得ているわけです。  辻 元「「デジタル教科書」が子どもの学力を破壊する」『週刊新潮2021.6.3』より

※子どもたちに思考させるためには、提示する情報量を減らしていくことが大事なのです。それゆえ、情報量が多すぎる媒体は、思考の妨げとなるわけです。今号の特集では、記憶と思考について、学力研の先生方に考えていただきました。(荒井)
    CONTENTS   全体はこちら。パスワードが必要です。
◇特集 記憶と思考、どちらをより鍛えるべきか◇
記憶と思考の鍛え方                       宮本 哲・・ 2
「覚えるべきこと」と「考えることでより理解できること」   鈴木基久・・ 4
エリックカールと藤井聡太の記憶と思考           岡 篤・・ 6
単元学習から年間学習へ                    加藤英介・・ 8
記憶力が思考力を高める                     丸小野聡暢・・10
イメージが思考を先導する。                 島本政志・・12
記憶と思考、どちらをより鍛えるべきか           岸本ひとみ・・16
思考が記憶を支え、記憶が思考を深める         吉田雅直・・18
 ◇連載◇
「どの子も伸ばす」を本気で考える○33
  「意欲格差」に負けない!公立小学校へ         岡本美穂・・20
変化する時代に対応する授業力・教師力
  「ものごとにはA面とB面がある」              荒井賢一・・22
学力研実践とは何か ○19〜源流から探る〜  
  「基礎学力実態調査(一)」                  深澤英雄 ・・24
「先生のための学校」誌上 開校                 久保 斎 ・・27
局長・常任委員長だより                     ・・・・・・・・・29
学力研カレンダー                       ・・・・・・・・・・30